ANEtty Document

実践の前の事前準備

Index

説明

ANEは、CやJavaといったネイティブのプログラムで作られたライブラリを扱うことでAIRからネイティブの機能を扱うことが出来るというものです。つまり、Windowsだったらdll、Macだったらframeworkといったネイティブのライブラリを作らなければなりません。また、ネイティブと中継するためのActionScriptライブラリも作成する必要があります。ここで、ASライブラリ、ターゲットとなるプラットフォームのネイティブライブラリを作る準備をしましょう。

なお、著者はネイティブをあまり知らないこともあり、もしかしたら他に構築方法はあるかもしれません。ここで書いているものに関してはあくまで推奨環境としての位置づけとなります。

また、詳細を知りたい方は、こちらをご覧ください。Adobe Flash Platform * ネイティブライブラリの構築

準備

以下を準備してください。

ANE-SWCとAIRアプリケーション制作環境(必須)
  • Flash Professional or Flash Builder
  • AIR SDK 3.0以上
  • ANEtty

上記以外のサードパーティー製の開発環境、あるいはFlexSDKとAIR SDKを直接扱うことでも可能ですが、上記をお勧めします。

なお、ANE-SWC制作は、AIR3以上が含まれるswcファイルを作れることが条件となります。

Windowsプラットフォーム
  • Microsoft Visual Studio 2012 Express (Visual C++)

.dllを作成します。バージョンは恐らく低すぎなければ大丈夫かと思います。過去、筆者はMicrosoft Visual C++ 2008で動作を確認していますので、2008以上を推奨します。

Macプラットフォーム
  • Xcode

.frameworkを作成します。ベースSDKのXcodeプロジェクトの設定が Mac OS X 10.5 SDK であることを確認してください。なお、このドキュメントでは、MacOS 10.8をターゲットとします。

Androidプラットフォーム
  • eclipse(Android開発環境)

.jarを作成します。AndroidSDKは、AIR for Android自体がAndroid2.2以降をターゲットとしているので、それ以上のバージョンをインストールしておいてください。

iOSプラットフォーム(シミュレータ含む)
  • Xcode

.aを作成します。XcodeのバージョンはAIR for iOSがiOS4以上を推奨していますので、それ以上のバージョンを扱える環境を構築します。なお、このドキュメントでは、iOS6をターゲットとします。

ANEttyの準備

初めて扱う場合、初期設定を行う必要があります。

ANEttyはAIR SDKのADTを扱うためのGUIです。ANEttyに「デフォルトで使用するAIR SDK(またはAIR SDKが適用されたFlex SDK)を設定する必要があります。起動した後の上部メニューより「Setting」を選択し、ウィンドウを開いてください。なお、デフォルトのAIR SDKが設定されていない場合、起動時に自動的に設定を促されます。

図1. デフォルトのAIR SDKを設定する画面1

上記、図1のパネルが開いたら、Addボタンを押し、追加するための情報を設定します。下記の図2がそれにあたります。Locationの所にAIR SDKのフォルダをドラッグ&ドラッグ、或いは横の「…」ボタンで選択します。Nameのところには「AIR 3.6」等、適切な名前を設定してください。

図2. デフォルトのAIR SDKを設定する画面2

以降、ここで選択されたAIR SDKがデフォルトで扱われます。プロジェクトごとにAIR SDKを設定したい場合は、プロジェクトの「Option」に個別にSDKを設定できる部分がありますので、そちらを使用してください。この設定はあくまで全プロジェクト共通のAIR SDKとなります。

ANEttyを扱ったANEの制作過程について

人それぞれ制作過程は違うかと思いますので、あくまで一例として、ANEttyを扱った制作過程を提示します。

  1. ANEttyで制作準備
    • ExtensionID、VersionNumber、作成するプラットフォームの決定
    • aneファイルの出力先決定。
    • その他、ANEのタイトル、説明、証明書等の設定。
    • 作成するメソッドの設定
    • 各プラットフォーム用のテンプレートの生成。
  2. ANE-SWCの作成・ネイティブ実装の作成

    ANEttyで作成したテンプレートを元に作成。

  3. aneファイルの作成

    作成したANE-SWCとネイティブ実装、その他必要なものをANEttyにセットし、コンパイル。

  4. AIRアプリケーション開発

    aneファイルを使用したアプリケーション開発