この記事は FLASHer Advent Calender 2016 の 21 日目の記事です。
表題の通り、ANEtty 最新バージョンを公開します。
多分最終アップデートとなります。
詳細はダウンロードページを参照してください。
■ 以下、改修内容と言い訳です。
バグフィックスや MacOS-x86-64 対応などを行っています。多分 Android-x86 も増やしていたはず。
改修内容ですが、なにぶん、いろいろやってたのが1年以上前なので、どんなバグをつぶしたかとかすら覚えてないです。
1年以上前にテンプレートの改修をしていたのですが、そこでエラーを残したまま現在に至ってしまっていたため、昨日改修を手作業で戻しました。
Windows 版を公開していないのは、単純に Windows 用 FlashBuilder を持ってないので、ネイティブインストーラーを書き出せないためです。これだけのために AdobeCC 入るような潤沢な資金がないのと、さすがに今から ADT 直でビルドする気力も無いという。まぁご勘弁いただければと・・・。
■ 謝辞
ANE を勉強したり ANEtty を作ったことで、FlexUG で話させていただいたり、F-site で話させていただいたり、知人ができたり、ネイティブ関連に興味が出てきたりと、いろいろメリットを享受できました。
ただ、現状を鑑みると、これ以上のアップデートは気力と環境的に困難であるため、残念ですが、今回をもって開発終了とさせていただきたいと思います。
今まで ANEtty をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
(なお、バグフィックスが必要な場合は、早めに言っていただければ、場合と内容によっては対応できるかもしれません)
■ これだけだとアレなので、思い出話など
・最初
僕が最初に Flash に手を出したのは Flash MX 2004 だったと記憶しています。当時 Web では Flash アニメが大人気であり、某吉野家とか 2ch のアスキーアートで作ったアニメとか、すごく流行っていました。一部からはFlash 黄金時代と呼ばれてるらしいです。
特にアスキーアート系は、絵をほとんど必要とせず、テキストを動かすだけでできるので制作の敷居がとても低く、書き出しも配置も簡単なので、玉石混交なコンテンツが非常に氾濫していましたね。ここにいろいろ貼りたいところですが、残念な事にこの時期の Flash は著作権的なところでいろいろとアレなので、紹介はしないでおきます。ネットで探すと Youtube や ニコニコ、swf ファイルなどで見つかりますので、探してみてください。
ちなみに著作権クリアなやつで好きなやつでは、下記を推しておきます。(直リンクになっていますが、埋め込みページはリンクがおかしいことになって表示されないので、別途トップページをリンクしておきます。)
スーパーモナー大戦第一部・スレッド激動篇(サモラップが来る?)
自分も何かやってみたいと思ったのですが、この時はプログラミングやったことなかったし、アニメーションもよくわからないし、絵も描けるわけでも無いし、っていうことで、特に何を作ることもなく、体験版で終了しました。
・仕事でなぜか Flash に関わることに
詳細は割愛しますが、とある段階から仕事で関わることになったのが FlashLite1.1, AS2 でした。AS2 でのゲーム制作を書籍で勉強していたら案外直感的に扱えることがわかり、そのまま会社にあった AS3 のアニメーション本も見はじめ、物理演算とか数学とか勉強し始め、そのまま Flash 制作にのめり込んで行きました。なんとか作業を楽にできないかと JSFL にも手を出しました。
この時に、勤務先の会社にしばらくの間 Flash の講師が招かれていたのですが、その方は、僕のプログラミングの師匠であり、今でも Skype などで連絡を取っている大事な友人です。この縁には本当に感謝しています。
・SparkProject
ネット上で資料を集めていると、有志が開催している Flash の勉強会という存在を知ります。いくつかある勉強会の中で初めて行った勉強会が SparkProject です。大崎にある Adobe の会社内で行われる勉強会というのもあって非常に興奮したのをよく覚えています。
ここでライブコーディングというパフォーマンスを初めて知ります。今でも覚えていますが、主催者の新藤さんが「AS3 のみでオシャレな時計を作る」というものでした。これは SparkProject へのコミット方法のレクチャーでもあり「セッションの制限時間内に1から作って、そのまま SparkProject へコミットする」というとても熱いセッションだったわけですが、その時のライブコーディングの鮮やかさと説明の上手さ、そして何より普通のデザインではない時計があまりにさっくりと作れる事と、コーディングだけではなく「全体的なコンテンツデザイン」に挑戦していくクリエイターの風土に、AS3 というか Flash の真髄を見た気がしました。
この時のインパクトは絶大で、「自分も社内・社外でプレゼンをしたい!」と考えるようになったのは、このプレゼンのおかげです。
ちなみに、その時の時計クラスは今でもちゃんと残っていました。
余談ですが、この時にプレゼントのじゃんけん大会があり AS3, Flex3 のクラスダイアグラムのポスターをゲットしたのも忘れられない思い出です。(今でも押入れの中にあります)
・wonderfl
更に勉強をしていると、何やら面白いサービスがあるというのを知りました。なんでも「ネット上で AS3 のコーディングができて、しかもそれがそのまま公開・共有できる」というものです。それが面白法人カヤックが提供開始したサービス「wonderfl」でした。
それまで AS3 で作ったコンテンツは、ビルドして自分のサイトにあげたり埋め込んだりして公開するしかありませんでした。コードも公開する場合はサイトに張り付けたりする必要がありました。しかしこのサービスにより「サーバーを持ったりしなくてもよいし、ローカルで開発環境を立ち上げることもなく、その場所で書くことができ、そのままビルドでき、そのまま公開できる」という、AS3 の技術を共有するに最適な環境が整いました。(まぁ、そうはいっても、開発効率の都合上 IDE を立ち上げて作って、そこからコピペするととかしてた人が大半でしょうし、アセットがいる場合や複雑なものはその限りではありませんでしたが)
様々な有名クリエイターの作品とそのソースが観れるということで、AS3 の技術共有にとても貢献されたサービスとなりました。且つ、他人が他人のソースを弄って別作品として公開できるという「フォーク機能」により、一つの作品からいろんな派生作品が生まれ、時に異様なほどの盛り上がりを見せました。有名どころでは「Liquid10000 の最適化祭り」などもあり、技術のマッシュアップが熱く展開されていました。
Liquid10000 – wonderfl build flash online
Flasher のつながりと盛り上がりは、ここら辺が最高潮だったのではないでしょうか。多分。
・その後
勉強会も幾つかあり、Adobe 主催のものを筆頭に、F-site、東京てら子、ひよこの会、FlexUG、ANE-Lab、などにも参加させていただきました。(その他はちょっと今出てこないですが、まだいろいろあったような気もします・・・)
その後も Flex フレームワークやら、AdobeAIR や ANE など、ネイティブアプリにも手を出しながら AS3 を学んでいったのですが、スマートフォンの台頭により Flash に暗雲が立ち込め、某タートルネックの有名人と、煽り大好きなネットメディアにより、一気に Flash という技術が衰退の道をたどる事になってしまいました。(参考:Flashを愛するメディア様の美辞麗句まとめ)
残念ながら、一つの大きな時代は今ゆっくりと流れ去ろうとしていますが、その時代だからこそ得られた「アニメーションと全体デザイン」の知見と、その土台となる AS3 の OOP な構築術というのを大きな糧とし、Flasher はこれからも新たな視点で新しい時代に貢献していくのだろうと勝手に想像しています。
■ 折角なので近況など
昨年までは AS3 をバリバリ書いていましたが、今年からは、なんか別の事をいろいろやってたらメンタルクリニック行きになってしまい、絶賛休職中です。まぁこういう超長期休暇の機会は社会人になるとなかなか無いですので、しばらくは仕事やプログラミングから離れて、ゆっくり休養しようかなといったところです。
あと、最近さだまさしが好きで、特にファーストアルバム「帰去来」に入っている「夕凪」っていう曲が大好きです。「Flasher さだまさしカラオケ大会」の開催が待たれます。